メルマガ第115号「令和3年の交通死亡事故の主な特徴」
2022.4.15
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警察庁の発表によると、令和3年の交通事故による死者数は2 ,636人で、警察庁が保有する昭和2 3年以降の統計で最少となりました。
そこで今回は、令和3年の交通死亡事故の主な特徴をまとめてみました。令和3年の交通事故発生状況
発生件数 305,196件(前年比−3,982件 −1.3%)
死者数 2,636人(前年比 −203人 −7.2%)
負傷者数 362,131人(前年比−7,345人 −2.0%)
*発生件数とは、人身事故件数をいい、物損事故は含まれません。
*死者数とは、交通事故発生から24時間以内に死亡した人数をいいます。◇交通事故死者の6割近くは65歳以上の高齢者
交通事故死者の6割近くは.. 65歳以上の高齢者年齢層別に死者数をみると、65歳以上の高齢者が1,520人で、全死者数に占める割合は57.7%と6割近くを占めています。
また、65歳以上の高齢者の死者数を状態別にみると、歩行中が722人(47.5%)、自動車乗車中が443人(29.1%)、自転車乗用中が249人(16.4%)、二輪車乗車中が97人(6.3%)で、歩行中と自転車乗用中を合わせると3分の2近くを占めています。
歩行中の高齢者や自転車に乗った高齢者を見かけたときは、スピードを落として、その動向に十分注意しましょう。◇事故類型別では、車両相互が最も多い
死亡事故を事故類型別にみると、車両相互が965件(37.4%)で最も多く、次いで人対車両が889件(34.4%)、車両単独が686件(26.6%)となっています。
事故類型の内容をみると、最も多いのは人対車両の「横断中」612件(23.7%)で全体の4分の1近くを占め、次いで車両単独の「工作物衝突」400件(15.5%)、「出会い頭衝突」の332件(12.9%)となっています。
「出会い頭衝突」の多くは、信号機のない見通しの悪い交差点で発生していると考えられます。
そうした交差点において、一時停止の標識や標示のある場所は必ず一時停止による安全確認、そうでない場所では徐行による安全確認を確実に行いましょう。◇道路形状別では、交差点内とその付近が死亡事故のほぼ半数を占める
死亡事故件数を道路形状別にみると、交差点内が899件(34.8%)、交差点付近が304件(11.8%)を占め、交差点内と交差点付近を合わせると46.6%と全体のほぼ半数を占めています。
交差点内について信号機の有無別でみると、信号機無が信号機有よりも多くなっています。
交差点とその付近は、事故が発生しやすい場所です。
交通状況に十分目を配り、起こり得る危険を予測して、できるかぎり安全な速度と方法で走行しましょう。◇法令違反別では、「歩行者妨害等」が前年より増加している
原付以上の運転者が第1当事者となった死亡事故を法令違反別にみると、「漫然運転」が345件(15.1%)で最も多く、次いで「運転操作不適」282件(12.3%)「安全不確認」276件(12.1%)となっています。
前年に比べると、死亡事故件数が減少している違反項目が多い中で、「歩行者妨害等」は前年(192件)よりも増加しています。
「歩行者妨害等」とは、横断歩道等のある場所や横断歩道のない交差点において、歩行者や自転車の通行を妨げる行為をいいます。
横断歩行者等があるときは一時停止するなど、歩行者等を保護する運転を徹底しましょう。◇昼夜別の死者数では、夜間の歩行中の死者数が4分の1近くを占める
死者数を昼夜別にみると、昼間が1,435人(54.4%)、夜間は1,201人(45.6%)で、昼間ほうが多くなっています。
昼夜別・状態別でみると、昼間は自動車乗車中が558人(21.2%)で最も多いのに対して、夜間は歩行中が593人(22.5%)で最も多く、全死者数の4分の1近くを占めています。
夜間は、速度感が鈍り、速度超過になりがちです。
昼間より速度を落とし、対向車と行き違うときや他車の直後、交通量の多い市街地の道路を走行するときを除いて、ヘッドライトはできるだけ上向きにして歩行者を早めに発見するよう努めましょう。